草木染を始めてから30年あまり歳月が経ちますが、
私にとっての草木染の魅力は
自然と共に暮らせる喜びであると思います。
草木染は「色が生きている」と言われています。
植物の葉、根、幹、樹皮や根などに含まれている自然の色を抽出し、
糸や布の中に映し出すことです。
染め上げられた色は、どの色も自然の色で深みがあり、やすらぎのある色です。
草木の種類によって、思いがけないすてきな色との出会いであり、
同じ草木でも季節や染め方などを工夫することで、
多彩な色を染めることができます。
草木工房(草木染研究所柿生工房)では
先人の知恵を学び、
紫草、紅花、茜、蘇芳などの代表的な染料以外にも、
染料となる植物を育て、草木染の可能性を研究しています。
また、草木染の継承と普及のために
講習会、展覧会などを開催しています。
講習会では「すべて土に還せる染色」を理想とし、
天然繊維、安全な媒染剤を使った草木染を行っています。
草木工房 主宰 山崎和樹