この仲間の植物は、庭のワスレナグサや野原のホタルカズラのように美しい青い花をつけるものが多い。
科の代表者はさぞ華やかだろうと思うと、案外地味である。
高貴な紫色は地中深くに秘められ、うかがい知ることはできない、奥ゆかしい草。
日本および中国、アムール地方に広く分布する多年草。
かつては武蔵野の枕詞になるほどに関東周辺にも自生していたが、長い間に採りつくされて、ほとんど姿を消した。
今は栽培しているものしか見られない。
高さは30〜60cmほどになり茎は直立。葉と共に、全体に長く粗い毛がある。根は紫色で太く、分岐する。
花期は6〜7月で、緑の苞葉に埋まるように、径4mmほどの小さな白い花が咲く。